Amorfast®の利用機会・応用分野
「水なし・一瞬」の非晶化が可能なAmorfast®には、いろいろな利用機会が期待できます。
例えば…
【アグリテック】畜水産
飼料効率向上
ペレット耐久性向上
【フードテック】食品
グルテンフリー・アレルゲンフリー
クリーンラベル(添加物代替)
非常食・介護食・離乳食
米の利用機会拡大・地産地消
【グリーンテック】バイオマスアップサイクル
バイオマスアップサイクルの省エネ化・低コスト化
環境に優しいバイオマス前処理
利用できる非可食バイオマス種の拡大
それぞれを詳しく見ていきましょう!
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畜産・飼料
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低コストに飼料効率を向上
温度制御型粉砕技術Amorfast®は、家畜向け飼料の原料となる穀類、例えばコメ・トウモロコシ・コムギなどを、水を用いることなく、瞬間的にアルファ化させます。
これによって、穀物原料の消化率を高め、ひいては飼料効率を向上させることが期待できます。従来方法に比べて省エネルギーであるため、飼料製造に見合ったコストで十分に高いアルファ化を実現することができます。飼料効率を向上させることで、より少ない穀物で動物を育てることができます。このことは、原料価格高騰下における収益性の確保の他、飼料用穀物の生産に由来する温室効果ガスや窒素排出などの環境影響を低減することにもつながります。
ペレット耐久性を向上
Amorfastでアルファ化した穀類は、水を加えるだけで粘性がでます。デキストリンなどの飼料用バインダー代替として働くことで、ペレットの耐久性を向上させます。
ペレットの粉化を防ぐことで、飼料の歩留まりがよくなります。また摂餌行動による動物のエネルギー消費を下げることや、粉塵によって生じる呼吸器疾患を抑えることが期待できます。
バインダーと異なり、穀類としての栄養を備えているので、飼料のスペースを有効活用できるというメリットもあります。 -
Amorfast®により、アミラーゼ消化率(糊化度)が約3倍に
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食品
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温度制御型粉砕技術Amorfast®で粉砕した穀粉は様々な食品への応用が可能です。
グルテンフリー・アレルゲンフリー
米粉をはじめとして、Amorfast®でアルファ化したでんぷん素材は、水を加えるだけで、粘りが出、小麦粉のように引き延ばしたり、丸めたりできます。この特性から小麦代替・グルテン代替として利用できます。また、つなぎとして乳や卵といったアレルゲンの代わりにAmorfast®でんぷん素材を使うなど、アレルゲンフリー食品にも応用可能です。
クリーンラベル(添加物代替)
Amorfast®でんぷん素材は水への分散性がよく、乳化性も示すため、増粘剤や安定剤、乳化剤のように働きます。天然素材でありながら食品添加物の役割を果たすことで、クリーンラベル食品の品質向上や商品の多様性拡大につなげます。
非常食、介護食、離乳食
Amorfast®でんぷん素材は消化性が高く、加水でお粥/ペースト状になります。そのため、調理が難しい状況での食事や、簡単に準備できるケアフードとして便利です。
Amorfast®加工品は水分が少く、軽量かつ長期間アルファ化(消化性が高い)状態を維持するため、長期・大量に適しています。また、穀類・芋・豆など多様な食材をアルファ化でき、品目のバラエティが拡がります。
粉状のため計量が容易で、栄養設計に合わせた調理が簡単。水の量でとろみを調節することで、嚥下能力に応じた作り分けができるという利点も。
米の利用機会拡大、地産地消
Amorfast®を米に用いることで、米の利用機会を広げ、地産地消を促進。自給率の向上にも貢献できます。例えば、米粉の生地は粘りがなく、100%米粉パンの作成は困難ですが、Amorfast®米粉を使用することで、ふわふわな100%米粉パンを簡単に作ることができます。パンの他、麺やパスタ、餃子の皮、とろみづけなど、米粉の活躍の幅が広がります。
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Amorfast®の食品分野用途例
アルファ化米粉はグルテンフリー食に便利!Amorfast®米粉を用いたミニ食パンのレシピ動画です(クリックすると動画にとびます)
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バイオマス活用
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温度制御型粉砕技術Amorfast®は、セルロースをアルファ化(非晶化)させることが可能です。
バイオマスアップサイクルの省エネ化・低コスト化
セルロースは、でんぷんに良く似た分子構造をしており、本技術により、デンプン同様「水なし・一瞬」でセルロースの非晶化が可能であることが分かっています。
従来方法と異なり、「高温・高圧」といった厳しい条件を用いないため、消費エネルギーを抑え、低コストな処理が可能になります。
環境に優しいバイオマス前処理
Amorfast®では酸やアルカリといった化学品を一切使わず、水をはじめ溶媒・分散媒も不要であるため、非晶化処理の廃液や副産物が発生しません。粉砕だけで非晶化ができるため、従来方法に比べ、環境に優しいバイオマス処理と言えます。
利用できる非可食バイオマス種の拡大
セルロースは、木材や草本系バイオマスの主成分です。Amorfast®でエコに非晶化することで、利用可能なバイオマスの種類を拡大することが期待できます。
バイオマスを燃料やプラスチックなどに変換する際、セルロースを非晶化して酵素反応性や化学処理効率を高めることが有効です。しかし、従来の非晶化方法は膨大なエネルギーを消費、あるいは廃棄物が発生し、利用できる機会が限られていました。
Amorfast®によって現実的なコストでエコにバイオマスの前処理を行うことで、籾殻・稲わらの飼料化、トウモロコシの芯の燃料化など、様々な非可食バイオマスの資源化可能性を広げます。 -
従来のバイオマス前処理の課題
温度制御型非晶化粉砕Amorfast®によるセルロース前処理の利点